こんにちはmonoconです。
以前のエントリーでもご紹介したかと思いますが、私が初めてチームのリーダーになったとき、マーカスバッキンガムさんの『最高のリーダー、マネージャーがいつも考えているたった一つのこと』という本を読んでリーダーの在り方について学びました。
この本はマネージャーとリーダーの特質やそれぞれの振る舞い方について詳しく解説されており、非常に役に立った良書だと思います。
そんなわけで、私はマーカスバッキンガムさんに良い印象を持っているのですが、先日、このマーカスバッキンガムさんの『仕事に関する9つの嘘』という本を読み、考えさせられましたので、簡単にコメントを交えてご紹介したく思います。
今回のポイント!
9つの嘘とは
- ①「どの会社」で働くかが大事
- ②「最高の計画」があれば勝てる
- ③最高の企業は「目標」を連鎖させる
- ④最高の人材は「オールラウンダー」である
- ⑤人は「フィードバック」を求めている
- ⑥人は「他人」を正しく評価できる
- ⑦人には「ポテンシャル」がある
- ⑧「ワークライフバランス」が何より大切
- ⑨「リーダーシップ」というものがある
①「どの会社」で働くかが大事
著者は どの会社で働くかはそれほど重要ではない と言っています。
仕事のほとんどはチームワークで、個人は会社のチームに所属することになり、良いチームにさえ所属していれば、良い会社でなくとも組織への愛着や思い入れは高くなるという主張です。
実際に「リーダーを信頼している」と答えた社員はそれ以外の社員に比べ、会社への愛着が12倍も高かった そうです。
確かに直接所属しているチームが、愛社精神に影響するというのは納得できますが、良い会社(いわゆるホワイト企業)はコンプライアンスも軽視しないですし、良い人材が集まりやすいので、良いマネージャーに当たりやすくなるでしょう。
そのため管理も比較的しっかりしているから、 結局良い会社に勤めることが良いチームに出会える確率を上げることになる のは想像に難くないですね。
そういう意味では、常識通りかな、と思わなくもないですが、日本とアメリカの違いかもしれませんね。
ただ、転職する際に、会社の理念など、抽象的な言葉に踊らされないことが大切とも述べているので、そこは同意です。
「ホワイト」か「ノットホワイト」かで転職先を選ぶと満足度が高いということですね。
その確率が上がるのは間違いないですね。
②「最高の計画」があれば勝てる
計画はどんなにきっちり作ってもその通りには進まない。ということですね。
それはそうでしょう。これも常識かと言われると「??」という感じですが。
計画においてはリスクの想定や、状況に応じての計画変更(コンティンジェンシー)も検討していると思いますが、想定外のルートが生まれることももちろんあり得ます。
大切なのは立案時点での最高の計画をたてたら、「目的、目標に向けて最短距離で遂行」するということです。
先入観にとらわれず、 ただひたすら目的遂行に向けて合理的な判断をし続けることが大切 ですね。
そのためには密なコミュニケーションによる状況把握が欠かせません。コミュニケーションマネジメントをしっかり作り、適切に運用していきましょう。
参考≫物事がうまくいかないのは計画の立て方が下手だから?全てがうまくいく計画の立て方とは
参考≫計画倒れにならないために!計画実行時において気をつけるべきこと!
③最高の企業は「目標」を連鎖させる
企業が設定する目標設定に意味はない、と言っているのですね。
大切なのは 「意味」「目的」「使命」 の連鎖であると。
一方で著者は、自ら自発的に立てた目標は役に立つと言っていますが、これについては全面的に同意です。
上から降りてきた目標は根拠も薄弱ですし、無意味ですね。
現場で立てた目標にしか意味はないと私も思います。
個人の目標や、チームリーダーが自らに課したチームでの達成目標にしか魂は宿らないでしょう。
一方でそもそもの仕事の使命や意味は企業側から提示する必要のあるものです。
現場サイドでは気づけない大きな意義や社会的役割に気づくことで、社員の仕事への情熱は高まっていくのは間違いないです。
もちろん、現場サイドの人間もそれを言われなくとも気づけるようになるとベターですけどね。
④最高の人材は「オールラウンダー」である
最高の人材は、オールラウンダーではなく、尖った人材であると著者は言います。
(ただし、組織としてはオールラウンダーであることが望ましい。)
集団では出る杭は打たれるの言葉通り、尖った人は煙たがられて、画一的な能力を求められがちなのは確かです。
組織は色々な特色を持つ人が集まって、得手を結集して物事に立ち向かえるということこそがその存在意義 だと思いますので、その通りかとは思いますが、オールラウンダーも必要だとは思います。
「最高の人材はオールラウンダー」という表現がちょっと極端ですね。
「みんな違ってみんな良い」で行きましょう。
⑤人は「フィードバック」を求めている
指摘ばっかりされたくない。ということですね。
賞賛と指摘を3対1の割合で行うことが大切と言っています。
言っていることはその通りですが、賞賛も含めてのフィードバックだと思うので、言葉の定義として、フィードバック=指摘と認識しているのであれば改めたほうが良い ということですね。
マーカスさんは、『最高のリーダー、マネージャー〜』の著者においても、とにかく良いところを探して褒めるようにせよ、と書いていましたから、これは徹底しているのでしょうね。
実際、私もその方がチームの雰囲気も良くなり、パフォーマンスは上がると思います。
⑥人は「他人」を正しく評価できる
これも、常識かと言われると、「??」ですね。
ただ、主張はその通りかと思います。
人は確かに他人を正しく客観的に評価することはできません!
(ただし、自分の経験から主観的に評価はできると言っています。)
私も、自分の経験に照らしても、会社員時代から今でも正しく評価されたことなんて無いです。
語弊を恐れずにいうならば、 できる感の演出こそが人の評価を決める重要なファクター です。
もちろん請け負った業務はきっちりこなす必要がありますが。
⑦人には「ポテンシャル」がある
著者はポテンシャルが存在する根拠はない。と言っています。
うーん、これは私にとっても新しい考え方でした。
ポテンシャルなどという不確かなものを引き出そうとしても無駄なので、それよりも、
「自分がどのような人間でどこに向かおうとしているのか」
「これから身につけたい測定可能なスキルと経験は何か」
の2点を理解できるよう手助けせよ。と言っています。
確かに 具体性のある将来像をイメージさせてあげることが大切 かと思います。
ポテンシャルという便利な言葉に振り回されず、地に足つけた成長プランを検討できるようにしていくと良さそうですね。
⑧「ワークライフバランス」が何より大切
仕事に愛がないと、ただの苦行でしかなく、苦行の癒しをプライベートに求めても限界がある というお話です。
全くもって同意です。
仕事の時間は1日の大半を占めますから、これを楽しめないと辛いですよね。
プライベートを充実させればさせるほど、仕事への嫌悪感が浮き彫りになると思います。
著者は、仕事とプライベートのバランスではなく、好きなことと嫌いなことのバランスを取れと主張しています。
具体的には 仕事のうち2割を愛せば燃え尽き症候群に陥る確率を下げることができるそうなので、仕事を好きになるように工夫してみることが大切 です。
以前のエントリーでもご紹介しましたが、天職というものは最初から存在するのではなく、やっていくうちに天職になっていくものです。
まずは仕事のうち好きなこと、嫌いなことを認識して、嫌いな仕事の割合を減らしていくようコントロールしていくと良いと思います。
参考≫やりたいことが分からない人必見!やりたい仕事の見つけ方
コントロールってどうやるんですか??
どうしても嫌な仕事はもっともらしい理由をつけて断るんですよ。
逆に好きな仕事は、恩を着せる形で「やりますよ」と笑
恩着せがましくしてはダメですよ。
あくまでもナチュラルに笑
⑨「リーダーシップ」というものがある
リーダーシップの存在は不確かである。しかしフォロワーシップは存在する と著者は述べています。
なるほど、リーダーシップはまやかしなんですね。。
人は「尖り」についていくのだそうです。
尖っている人は必ずしもリーダーシップを発揮しているわけではなく、周りが神輿担いでいる状態ということですね。
言われてみれば、凡庸な人がリーダーシップを発揮しようとしても、まぁ確かに、人はついていかないかもしれませんね。
リーダーシップを発揮したい場合、尖り=特異性にフォーカスしてみると良さそうですね。
場合によっては少し大袈裟に見せる演出をしてみるのも効果的かもしれません。
周りが勘違いしてついてきてくれるんですね笑
勘違いさせるのは結構大切です。
さて、本日は以上となります。
総評としては、ケレン味の強いタイトルかなとは思いますが、書いている内容は納得感のあるものになっていますので、一読の価値ありです。
kindleの方がお安いのでお得ですね。
また、残念ながらオーディブルではなさそうですが、いずれ出るかもですね。
では、また次会お逢いしましょう!
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