こんにちはmonoconです。
前回は計画の立て方について説明しましたが、せっかく立てた計画ですから、予定通りに実行したいものですね。
計画が8割と言えども、実行におけるケアを疎かにすれば、「計画倒れ」は免れません。
特に、参画するメンバーが多い場合は一枚岩でプロジェクトを進めることはとても難易度が高くなりますので、計画を実行に移す時(プロジェクトの開始時)や、プロジェクトの遂行途中においては、細心の注意を払う必要があります。
本日は、プロジェクト推進について「始」「中」「終」の3つのタイミング軸に分け、順を追って説明していきたいと思います。
- 始:プロジェクトの開始 ➡︎プロジェクト内容の共有
- 中:プロジェクト推進 ➡︎進捗の確認
- 終:プロジェクト終了 ➡︎次回へ向けて振り返り
今回のポイント!
当エントリーを読んで欲しい人
- 組織のマネージャー
- チームのリーダー
- 絶対に計画を成功させたい人
当エントリーを読むべき理由
- 筆者は長年プロジェクトマネージャーとしてプロジェクト運営に携わってきた経験がある
- 机上の空論ではなく、筆者の生きた経験をご紹介している
始:プロジェクトの開始
プロジェクトの計画は、企画者=マネジメント層によって作られることがほとんどです。
つまり、プロジェクトに参画するメンバーは無垢な状態ですので、まずは計画の全てを参画者全員に余す所なく共有することからはじめなくてはなりません。
キックオフミーティングの大切さはここにあります。
必ずプロジェクト開始時には、全員参加のキックオフミーティングを開催しましょう。
一大イベントとして、できれば仰々しい演出もしたいですね。
演出も大事なんですね。。
でも、どんな演出をすれば良いかよくわからないです。
そんなに大上段に構えなくても大丈夫です。
いつもと違う雰囲気を作れたら十分です。
例えば、プロジェクト計画書をきちんと製本したり、プロジェクト名を入れたペンをつくり、その場で全員に配布したりですね。
経験上、参加者が着席する椅子をこれ以上ないほど整然と並べたりするくらいの演出でも意外と効果ありでした。
なるほど、それくらいであれば簡単にできそうですね!
また、プロジェクト開始時だけでなく、新たに人が加わったタイミングなどでも、中間キックオフとして、適宜計画を確認し直す機会を持つことも大切です。
途中参加のメンバーへの計画共有は、つい疎かになりがちですが、これを失念すると、一枚岩でのプロジェクト遂行は夢のまた夢です。
しっかりケアするようにしましょう。
さて、キックオフミーティングの重要性はお分かりいただけたかと思いますが、言わずもがな、伝える内容も大切です。
計画を周知する際には、当然プロジェクト計画の全て伝えるわけですが、特に力を入れるべき点を3点、以下に紹介します。
1点目・目的の共有
まずは目的の共有です。
これはプロジェクトの肝なので、くどいくらい力を入れて伝えましょう。
とにかく大切なことは、プロジェクトの意義をしっかり理解してもらうことですが、この時に効果的なのはストーリーとして伝えるということです。
人はストーリーを好む生き物ですから、ストーリー立てて目的を伝えることで、聞き手の理解を促す上、しっかり記憶に残す効果も期待できます。
マネージメント層の熱い思いを交えつつ、ストーリーとしてプロジェクトの目的を伝えるようにしてみてください。
2点目・目標を共有
ストーリーとしての目的を共有できたら、次は目標の共有です。
プロジェクトの要所要所で定めた確認ポイントごとの達成目標をまずは共有しましょう。
次に、チーム(チーム分けをしている場合は)ごとの達成目標や、その結果となる全体での利益目標値など、計画で定めた数値目標を全て共有します。
また、どのようなツールを用いてそれを確認していく予定なのかについても共有していきましょう。
実際の運用イメージが湧きやすくなり、賛同を得やすくなりますし、プロジェクト遂行におけるルール遵守の意識づけにもつながります。
3点目・ルールについて
さて、目的目標が共有できたら、次はプロジェクト運営上のルールについても共有していきます。
人が集まって一つの物事を成すので、ルールがないとコントロール不能に陥るのは説明不要かと思います。
コミュニケーションマネジメントシートの内容をベースとしたコミュニケーションのルールをはじめ、資料やデータ、機密の扱いのルールについてもしっかり説明していきましょう。(もちろん事前にルールの策定は必要です。)
参考»マネージャーが不在になると進捗がストップ?!それはルール作りが間違っている!
説明の際、ルールを守ることでメンバーにどのようなメリットがあるかをしっかり理解してもらうことで、ルールの遵守意識を高めていきましょう。
<ルール遵守のメリット>
- 省力化によるコスト削減、後期短縮
- コミュニケーションロスの回避によるリスク低減
- 責任の所在の明確化
つまり、残業が減るし、ボーナスは増えるということですね。
そのとおりです!
なので、もしルールを守らないメンバーがいた際には都度根気良く注意し、メンバー全員にルール遵守意識を高く持ってもらうようにマネージメントしていきましょう。
懺悔しますが、僕は以前、ルールを破ってしまったことがあります。
おや、そうなんですか?
その時はどうしてルールを守れなかったんですか??
開発中に障害が発生して、その対応に追われてしまい、報告のルートがあることをすっかり忘れてしまいました。
なるほど、コミュニケーションマネジメントシートは作られていましたか?
なかったです。コミュニケーションのルールは口頭で説明されていただけだったので、いざという時、頭から抜けてしまったんです。…言い訳になりますが。
いやいや、人間はミスをする生き物ですから、仕方ないことです。
マネジメント層がメンバーのミスを前提においてマネジメントをしていないことが問題だと思います。
ちゃんとプロジェクトの全てを明文化して、いつでも見直されるようにしておかないといけないですね。
中:プロジェクト推進
さて、計画を共有できたら次はプロジェクトの推進です。
ここで大切なことは、計画に則り進んでいるかをきっちり確認することです。
マネジメント計画通りに進捗確認を行います。
この時、注意したいのは、報告者の報告を鵜呑みにしないということです。
報告者はマネジメント層と同じ観点を持っているわけではないですし、バッド情報はあげづらいものです。
以下の観点で報告を受け、もし違和感を感じたらしっかり掘り下げて正しい状況を把握できるようにしましょう。
全体的に
- ①矛盾のないストーリーとして成立しているか
- ②定量的な報告となっているか
- ③現状を正しく把握できているか
- ④今後の見通しが立っているか
スケジュールが遅れている時
- ①スケジュール遅れの理由は何か、リカバリ可能か否か
- ②遅れのリカバリ案は現実的か
- ③費用が別途発生するか否か
費用が別途発生したり、スケジュールに変更が出る場合は、対応案について、別途検討する場を設けましょう。
進捗確認はあくまでも進捗の確認にとどめましょう。
スケジュールが前倒しの時
- ①スケジュール前倒しの理由は何か
- ②今後も前倒しの程度は広がるか(それとも今後は予定通り進捗する?)
- ③別工程で遅れが発生する見込みがあるか(結局予定通りの進捗に戻るか?)
スケジュールの前倒しは安心しがちですが、作業の入れ替えなどで一時的に前倒しとなっている場合もあります。
その場合は全体で見ると結局スケジュール通りとなることが多いため、油断しないようにしないといけません。
受けた報告を元に話を組み立てられなければ、どこかに矛盾や曖昧な点があるはずです。
自分の中で腹落ちするまでしっかりヒアリングしましょう!
危ない兆候に目を光らせる
進捗を日々確認している中で、危ない兆候が出てきたら、即座に手を打ちましょう。
対応が遅くなればなるほど傷口は広がります。
期間や費用に影響の出ない解決ができるならばそれに越したことはありませんが、もしそうでない場合も、勇気をもって判断していかなければなりません。
費用が別途かかるとか、工期が変更になるという決断は実際怖いですけどね。
マネージャーが腹を括って決断しましょう。マネージャーが責任者たる所以です。
マスタスケジュールや原価管理表にコンティンジェンシープランを適用させて、費用感、スケジュール感を出し直し、今後の方策を決定しましょう。
対応の費用や期間がかかりすぎる場合には、問題を許容した場合との比較も必要になります。時には問題に目をつぶるという選択肢を選ぶケースも出てくるでしょう。
臨機応変にその時々で最も適切と思われる対応をしていきましょう!
中間キックオフ
もしプロジェクトの期間が長い場合、プロジェクトの途中で振り返りを行いましょう。
プロジェクト計画の再確認の場となりますし、その時点までに判明した改善策、新たなリスクの種を認識してその後のプロジェクト運営に生かすことができます。
ここでも手を抜かず、プロジェクト開始と同じような演出を交えた会にできると良いですね。
参加者もピリッと引き締まります。
中弛みの防止にも最適です!
終:プロジェクト終了
さて、長かったプロジェクトも終了したら、全員参加で振り返りの場を持ちましょう。
- 目標は達成できたか?その要因は何か。
- 次回より良くするにはどのような取り組みが考えられるか。
- あるいはどのような問題があったか、それをどう解消したか、あるいはどう解決すれば良かったか。
といったヒントを得ていきます。
事前にアンケートを取りましょう
振り返り会の前に、参加者にアンケートをとっておくとスムーズです。有名な「KPT」のフレームワークを使いましょう。
- Keep :続けるべきこと
- Plobrems :抱えている問題
- Try :挑戦したいこと
フレームワークの詳細な説明は他のサイトにもたくさん載っているので、ここでは割愛しますが、一番大切なことは終了したプロジェクトを過去の美しい思い出に変えないことです。
次回にちゃんと生きるよう、本音で振り返ることが何より重要です。
アンケートを集約していざ振り返り会実施
提出されたアンケートは集約して、振り返り会で発表します。
その際、それぞれの意見にフィードバックを忘れないようにしましょう。
嬉しい意見にはもちろんそう伝えるべきですし、厳しい意見にも感情的になったり、無視をせず、真正面から向かい合いましょう。
時に、マネジメント層の想いとは真逆の意見が出たり、マネジメント層への批判も含まれると思いますが、真摯に受け止め、次回どのように改善していくか、きちんと検討していく姿勢を見せていきましょう。
そうすることがメンバーとの絆を深めていくことにもなりますし、良いチームはこの繰り返しを経て初めて形成されるものです。
私もかつて、プロジェクトメンバーに批判を受けたことがあります。
「想い」がちゃんと伝わっていなかったことが原因でした。
再度しっかり伝えたところ、理解してくれましたが、人に「想い」を伝えることの難しさを痛感した出来事です。
さて、いかがだったでしょうか。
プロジェクト遂行も決して簡単ではありません。試行錯誤の末、各々のスタイルを確立していくものだと思いますが、今回の投稿がその一助となれば幸いです。
また、いつも言っていることではありますが、インプットを強化しましょう。
インプットを増やすことで、引き出しをどんどん増やしていけば、問題が起きたときの解決策や問題を未然で防ぐことにつながります。
時間のないビジネスパーソンでもインプットが捗るツールやサービスがたくさんあるので、興味があれば使ってみてください!
AmazonのAudibleも家事をしながらとか、散歩しながらインプットできるのでお勧めです。
プライム会員ならば、3ヶ月無料で試せるらしいです。(2021/6/2時点の情報)
読みたかった本をタダで聴くチャンス!
では、また次回お逢いしましょう!
コメントを残す